時は昭和16年。そんなころから精油を?!:開聞山麓香料園(鹿児島県指宿市)

鹿児島県指宿市にある開聞山麓香料園。

IMG_9849.JPG事前にやりとりをしていた副園長の宮崎利樹さんとご挨拶した後は、再び喫茶スペースへ移動し、園長の宮崎泰さんとご挨拶。

前回のブログにも書いた通り、宮崎泰さんは私が訪問する少し前に著書を出版されました。
九州に向かう飛行機の中でその本を読み返していたのですが、情景が浮かんでくる文章とハーブの写真。
その本を書いた、早く会って話を聞きたいと思っていた方が目の前に!

IMG_9879.JPG※右:園長宮崎泰さん、左副園長宮崎利樹さん

著書の中には、精油抽出の最盛期のことの記載もあり、当時の様子をもっと深く聞けるんじゃないか。
日本の天然香料としての精油作りとともに生きてこられた方の、本には載っていない想いを知りたい。

はやる気持ちを抑えきれず、さっそくインタビュースタート。

早く話が聞きたくて、録音をすっかり忘れていた私。
(他のメーカーさんでも同じことをやらかしてます…笑)

話が少し進んだところで気付き、
「スミマセン、宮崎さん、お話録音しても良いですか?」
とお願いすると、
「でははじめから話しましょう」
と、もう一度イチからお話をしてくださった宮崎さん。ありがとうございます。

ここからは、著書のなかやHPにも載っていることも含まれますが、開聞山麓香料園の歴史を綴ってみたいと思います。

時代はさかのぼること昭和16年。大東亜戦争(太平洋戦争)のころ。
日本国内でも香料作らなければという流れになったころ。
園長泰さんのお父様と伯父様が持っていたローズセンテッドゼラニウムに目をつけたのが、曽田香料の初代社長曽田正治氏でした。

e3722ff8272cc8fe973385990feb339b_s.jpgローズゼラニウムにはゲラニオールがたくさん含まれます。
当時の香料といえば、合成香料ではなく、植物から抽出される精油そのものや、ある成分を分離して作る天然香料原料。
ローズゼラニウムに含まれるゲラニオールは質も良く、香りも優れていることから、ローズゼラニウムの栽培に着手します。

香料として精油を抽出するにはそれ相当の量が必要。
泰さんの伯父様が栽培できる土地を求め九州を南下。
当初、指宿が候補だったそうですが、土地代が高かったこともあり、開聞岳の南斜面(冬でも雪が降らない温かいエリア)、川尻集落に居を構え、地元の青年団長を30人ほど雇い入れ、ゼラニウムの栽培をスタートします。

その広さ、五丁歩(約5万平米、東京ドームよりも広い!)

IMG_9865.JPG語呂合わせではありませんが…
昭和18年には18㎏の精油抽出に成功!
※写真は精油抽出装置。当時から使用しているものでこの大きさ(500キロ窯)の機械はここにしか残っていません。

ゼラニウム精油の採油率って0.2%前後なんていわれていますから、どれくらいの規模でやっていたか、わかるでしょう?
日本でこんな規模、今、できないです。

そのゼラニウム精油を、東京の曽田香料で成分分析をしたところ、フランス産に劣らない質であることが証明されます。

これは使える!とさらなる量産を決めます。

ところが、地元の農家100戸以上が協力を約束し、体制が整った矢先。
大東亜戦争の戦況により、栽培を中断せざるを得なくなります。

お父様は出兵。
工場は数人の社員を残すのみ。

実質上の閉鎖…

戦時中、農作物の栽培に切り替えざるを得なくなった畑の片隅で、お母様はローズゼラニウムの親株を大事に守り育てます。
そして、昭和20年。復員したお父様とともに再度ゼラニウムの栽培を始めたのです。

IMG_0933.JPG10月に訪問したときに購入したゼラニウム精油。
「今年は採油がほんの少しで高いのですが…」とおっしゃられていましたが、今私の手元にあるゼラニウム精油は、昭和16年から守られてきた株の子孫。
すごく歴史のある精油なのだと思うと、その香りがまた愛おしい。

精油は海外からやってきたものと思いがちですが、昭和初期には日本でこのような規模で製造されていた事実。

また開聞山麓香料園以外でも、曽田香料は様々な精油の抽出をしていました。
例えば、
昭和12年にはジャスミンの精油を国産化することを目指し抽出を開始(これは商業ベースには乗らなかったようです)
昭和13年には日本のローズといわれるハマナスから精油の抽出を。
翌14年には北海道でラベンダー精油を。(このお話は次回に)
また日本のゼラニウムと並行して、モルッカ諸島などに農場を構え、ゼラニウムやカユプテ、クローブの精油抽出に着手しているのです。

今日本国内には、精油を抽出するメーカーさんどんどん増えてきました。
そのはるか昔から、ずーっと精油の抽出を続けてきた会社。

その場に来れたことを嬉しく思います。

ということで…
まだまだ続く開聞山麓香料園の精油の物語は次回へ続く。




今回お邪魔した和精油メーカー

開聞山麓香料園
〒891-0602
鹿児島県指宿市開聞川尻6229
TEL:0993-32-3321

詳細はラヘラジのWEBページでチェックを!


宮崎氏は2017年12月放送のラヘラジにゲスト出演してくださいました。

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