生きた香りがする精油:開聞山麓香料園(鹿児島県指宿市)

2017年秋に訪問した開聞山麓香料園。
前回のブログは、日本で精油を抽出することになった頃のお話を書かせていただきました。

実は…
日本で天然香料として精油を抽出するに至った経緯は、曽田香料初代社長も、開聞山麓香料園の園長も、誰も文字で残していないんです。

IMG_9856.JPG今回の訪問で、私もお話は伺ったのですが、事の詳細を書くのはNG。
日本の香料会社の社長と、植物栽培のプロが、そのプライドをかけて、相当の苦労をものともせず、作り上げた歴史がある、ということだけここに記しておきます。

ホウショウ、ローズゼラニウム、ラベンダー。

栽培に適した地域を探し、その土地の農家さんに契約栽培してもらったハーブから、精油抽出をしていたのは曽田香料だという事実。

開聞山麓香料園の園長、曽田泰さんは、「自分はその当事者だから、あまり言ったり書いたりすると、ライバルをやっつけようとしてるみたいでよくないから」と言葉を濁された部分もありました。

5425ab862f991dd208ccd6f18d3ddb75_s.jpgでも宮崎さん、日本で今ラベンダー精油といえば…という会社のHPにもちゃんと書いてありました。

1937年曽田政治氏がラベンダーの種をフランスから入手し、1973年曽田香料がラベンダー精油の買取をやめるまでのこと。
そして富田氏が1980年に独自で精油の抽出を始めた(それまでは富田氏はラベンダーの栽培をはしていたが精油の抽出はしていなかった)ことが。

ラベンダーへの想いを捨てず、あきらめず、1980年に独自に精油の抽出を始めるほどの富田氏の情熱は素晴らしい。
でも、そのことだけが取り上げられ、もっと古い歴史、1937年に曽田香料の創始者曽田政治氏が日本で精油抽出の第一歩を切り開いたこと、そのパートナーとして宮崎巌氏がいたことを、アロマセラピーに関わる人には知ってもらいたいと思います。


IMG_9866.JPGさて、他にもたくさんお話を伺ったのですが、これは書いちゃダメの連続だったので…笑
時代を一気に今に戻し、今の精油抽出のお話を。

ここ開聞山麓香料にある水蒸気蒸留の装置。
戦前から使われている500キロ窯。存在感大!です。
そしてその他100キロ窯が3基。規模が違う。

今の日本の精油メーカーさんの装置は大きくても100キロ窯。
もっと小さい機械を使っているところもたくさんあります。

小さい蒸留器のところは、小さい方が良いという。
大きい蒸留器のところは、大きい方が良いという。

それぞれに適したやり方があるのだなぁと思うのですが、この大きさの窯を人の手で操作しているのだからすごいよなぁ。

蒸留するハーブは400キロ超。準備だけでも大変…

訪問した日は蒸留をしていなかったのですが、ハーブを詰めるにもコツがあるそうで、スカスカでもダメ出し、ぎゅうぎゅうでもダメ。

今は副園長の利樹さんが蒸留を一手に引き受けているそうですが、巌氏の代から蒸留に携わってきた職人さんのの元で修業をし、そのお墨付きがあるのだとか。
園長の泰さん曰く、「手前味噌ですが、日本でこの規模の装置を扱えるのは利樹だけ。」

※写真:「こうやって…」とデモンストレーションしてくださる利樹さん。何も入ってなくても重たそう…

IMG_9863.JPG蒸留の終わったハーブが工場の外に積まれていましたが、香りはほとんどなし。
余すことなく精油成分が抽出されていることが分かります。
抽出が終わった材からもいい香りのする精油工場もたくさんありますから、これだけでも抽出の技術の高さがうかがえます。

抽出後のハーブは土にかえり、ハーブガーデンへ。
この土地の中で、生態系サイクルが完結しています。

「ハーブガーデンと言っても、見るためのものでもないので…」

と利樹さんが案内してくださった場所。
季節的に花の少ない時期だったのですが、うん、確かに。笑
芳樟の木に囲まれたエリアには、雑草もたくさん生え、一見どこにハーブがあるのか分かりません。
でも、
IMG_9852.JPG「これがローズマリー、これがゼラニウム、これがティーツリー、これがレモングラス…」
と葉をちぎって渡されるハーブたちはどれもかぐわしい。
その場にポイとすることができず、大切に持ち帰り、泰さんの本の間に挟んで押し花に。

何か月もたちますが、まだいい香り。
こんなハーブから精油を抽出してるんだから、いい香りの精油ができて当然!

購入したゼラニウムやホウショウ、そしてお土産に頂いたレモングラス。
どれも香りが濃いのに優しい。

IMG_9853.JPGそして、工場の冷蔵庫から取り出して香りをかがせてくださった芳香蒸留水。
こんなにもかぐわしいのか!と驚いたローズマリーの香りが忘れられません。

※ローズマリー畑の写真

きっと、新鮮なハーブを一気に蒸留するから、水溶性の芳香成分も豊富で生き生きしているんだな。

ゼラニウムは戦前から持っていたものを。
ホウショウは曽田香料が農場を持っていた台湾から持ち帰った種を。
レモンユーカリ、カユプテ、ティーツリーは巌氏が終戦時、ニューギニアの戦場でもらった種から。
その他のハーブは、泰さんがペルーから帰国する時にもらった種から(それでも40年くらいたってるとのこと)

IMG_9858.JPG開聞山麓香料園の土と気候に合うタイミングで植え、育て、何代も受け継いできた植物の力。

大切に守ってきた宮崎さん親子の愛情。

そしてここにしかない精油を抽出する技術が、この香りを生み出しているんです。

開聞山麓香料園のHPに書いてある言葉。
「精油は人の手によって作られた農産物です。
精油の一滴一滴には自然の恵みと、人の手間ひまが凝縮されています。」

まさにその通り。

精油の蒸留装置も手軽な大きさ、金額で入手できるし、いつか自分の手で抽出した精油を作りたいと思っていたのですが、(今でも想いは変わらないのだけど)、この規模、この歴史を見るとそんな簡単なことではないと改めて実感です。

IMG_9879.JPG日本の精油抽出の歴史とともにここにある開聞山麓香料園の偉大さがわかるのとともに、新しい方法で精油を抽出することへの挑戦を続けている、新しい精油メーカーさんたちへの感謝と尊敬の念が、さらに深くなった訪問でした。

「次は精油を抽出している時に来てください。見学会の時でなくてもよいし」

そう言って送り出してくださった泰さんと利樹さん。
お言葉に甘え、次は精油の抽出の時、ハーブが生い茂る季節にまた来ます。

※写真右:園長宮崎泰さん、左副園長宮崎利樹さん
本当にありがとうございました!




今回お邪魔した和精油メーカー

開聞山麓香料園
〒891-0602
鹿児島県指宿市開聞川尻6229
TEL:0993-32-3321

詳細はラヘラジのWEBページでチェックを!


宮崎氏は2017年12月放送のラヘラジにゲスト出演してくださいました。

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