実生苗を育て山へ返す。そんな取り組みから生まれる精油:三重県宮川森林組合(odai)

宮川森林組合に到着し、中須さんと当日のスケジュールを確認した後は早速車に乗せていただき、目的地である広葉樹の森へ。

この森は、山の持ち主である大瀬歯科医院の提供をうけ、富士通中部システムズ森として2007年に植林がスタートした場所で、私が紅葉樹の植林をしている場所を探していた時にweb上で発見した取り組み森。

到着を楽しみにしていると…

IMG_9413.JPG先にちょっと一箇所寄りますね。

と民家方へ。

案内して頂いたのは、広葉樹の 森に植林する苗木を種から育てている、大台町苗木生産協議会長天野さんのoお宅でした。

ご自宅のお庭のすぐ裏が林でそこに面する一角が育苗場。
そこには知っている木の苗、初めて見る木、小さな苗木がたくさん並びます
これが森になるまでにはどれくらいの年月が必要なんだろう…

中には目を出すまでに数年かかるものや、発芽しても育たないもの、育っても途中で枯れてしまうものもあります。もちろん、山に植えても鹿に食べられてしまうもの、環境になじまず枯れてしまうもの、逆にうまくいくもの…試行錯誤の繰り返しです。

IMG_9378.JPG天野さんが育ているのは優に50を超える種類。
※写真左:天野さん、右:中須さん

協議会全体では100種以上の種類の苗木を育てているそうです。
ここ大台町の苗木生産の特徴は、大台の山に自生する木々から種を取りそれを実生で育てること。
挿し木で増やすことも可能だそうですが、それはしません。なぜなら、遺伝的多様性を欠くことになるから。

IMG_9371.JPG種を採取する時も、
  • 必ず自生している個体から採取すること
  • 孤立木からは採取しない(自家受粉の種を避ける)
  • 多くの個体から採取する

などガイドラインが定められており、種が植えられているポットには採取した日と場所、植えた日が明記されていました。
さらに、採取の際にはGPSを用いて緯度・軽度・標高・斜面方位などの情報を記録しているそうです。
本来あるべき森の姿を再生するためにはこういう地道な活動が不可欠なのですね。

IMG_9415.JPG天野さんのお宅を訪問した後、中須さんがおっしゃられていたこと。

「広葉樹の実生の苗を育てるのは確かに大変です。でも、山で種を取ってきたらそれが売れて収入になる、育てた苗は杉や檜とは比較にならないほど高い金額で売ることができる。広葉樹の材は実は値段の下落がほぼないので育てることで将来の収入につながる。この活動を続けることで、町の9割が森林である大台町が林業で生活をしていくことが可能になると信じています。」

ずしんと胸に響きます。

IMG_9380.JPG
ニオイコブシの種。
モクレンの仲間は、どれも袋果が複数集まった集合果を実らせます。秋に熟すと、中から赤い種子が出てきて、糸にぶらさがるそうです。
次は木から赤い種子がぶら下がっているところを見てみたい!


IMG_9382.JPG
トチの種。
これは食べられる実です。トチ餅に入っいる実はこれを砕いているのですね。
まんまるな実がコロンコロンと愛くるしかった!

ここでは全て、”木の実”ではなく”種”。
食べるものではなく、植えて育てるものなんです。

IMG_9381.JPG
こちらは栗の種。
ヤマグリなので私たちが普段食べている栗よりも小ぶりです。

「どこに何の木が生えていて、種がつくか覚えておいて取りに行くのも大変。でもこの仕事ももっと地元の人に引き継いで行かなければなりません。今は森林組合が主導でやっていますから…」
と中須さん。

種の採取と精油作りは実は大きな関係があります。
ここ大台町の宮川森林組合では、あくまでも種を取り、育て、山に返す、林業のサイクルを確立することが一番の目的。
精油はその過程で生まれるもの。
だから、花が咲き、種が実り、種を取る時期にちょっと枝をつけて採油する。
その枝葉を精油作りに使うんです。
決して、花が咲いている時や新芽の時には枝を切らない。
「精油を作るために木を切るのではありません。我々は林業を支える森林組合ですから。」

この言葉は中須さんだけではなく、この後お会いした皆さんが口にしていたこと。
一貫して林業に向き合うこの場所で生まれる精油がますます楽しみになってきました。

次回は、いよいよ広葉樹の森、そして精油抽出工場へ。




今回お邪魔した和精油メーカー

〒519-2505
三重県多気郡大台町江馬316
宮川森林組合
TEL 0598-76-0135
FAX 0598-76-0263



宮川森林組合さんは2017年11月、古山順子のラヘラジにゲスト出演してくださいました♪

詳しい日程はラヘラジのWEBページでチェックを!

※放送時間こちらにアクセスし、▶のボタンをクリックすると放送が流れます


放送日の午前中にレジュメが届きます♪ 

*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*
インターネットラジオfmGIG 古山順子のラヘラジ
毎週水曜日 昼12:00~12:30
スマホ、PCで、日本全国、全世界!どこでも聴けます!
アロマの力で心も体も幸せに!
あなたの心に寄り添うセラピスト 古山順子
letter@lahella.jp
*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*


アロマ&ホットストーンラヘラ

ラヘラアロマ&トリートメントスクール

インターネットラジオ古山順子のラヘラジ



広葉樹の森を訪ねて:和精油ブランドodai(三重県宮川森林組合)

それはあまりにも単純な発想からはじまりました。

IMG_9074.JPG日本では昔からスギやヒノキの植林が盛んにおこなわれてきた歴史があります。
※写真は大台町の山並み

孫の代のためにと植えたはずが、海外から安い材木が輸入されるようになったために、山が荒廃してしまった現実。
建材になるような樹齢ならまだしも、間伐材の用途が無く、木を切れば切るほど赤字。それを活用する方法の一つとして、スギやヒノキの精油抽出の研究がなされ、日本を代表する精油が誕生しました。
そして、植林されたスギ、ヒノキだけではなく、クロモジやニオイコブシなど自生する広葉樹からも精油の抽出が行われ、人気を呼んでいます。

採油量が少ないため値段もお高めですが、広葉樹の精油をもっともっと抽出すれば山に還元できるんじゃないか?
ローズウッドにとって代わるとアロマ業界は盛り上がり、サロンで人気のクロモジ精油も、今自生しているものを伐採して使い続ければ、枯渇してしまう。
結局、森を殺してしまうような精油は使ってはいけない。
でも、広葉樹を育てているなんて聞いたこともない。

そんな取り組みってできないのかな。
そう思ったらもう止まらない。

IMG_9367.JPG
広葉樹の植林についてせっせと検索。
ちらほら文献は出てくるものの、いまいちぴんと来ない。
でも、もともと日本の山には広葉樹が生えていたんだから、やってできないはずはない。

検索に検索を重ね、たどり着いた一つのページ。
そこには、”広葉樹の森作り”の取り組みをしている森林組合のことが書いてあったのです。
それが、三重県大台町にある宮川森林組合でした。

IMG_9368.JPG次は”宮川森林組合”と検索してみると…
なんと!!

なんと!!
精油抽出事業をしていることがわかりました。
これは行くしかない、と早速連絡をしたのでした。

FBからの連絡に応じてくださったのは、地域おこし協力隊として宮川森林組合に勤務している前北さん。「事業の担当宛に一度電話を下さい。」と返信をいただき翌日早速電話。
電話対応をしてくださったのは、中須さんという男性。(前北さん、中須さんはラジオにもゲスト出演してくださいました)

三重=大阪から遠くない。

まいどの通り、勝手なイメージをもって日帰りで行くことに決定!
行ってみたら遠かった・・・(これもいつものこと)

0a043c9a94a1d2d2a5c0b34001f4ab5d_s.jpgでも、道中も毎回楽しいのです。
往路では、大きな丸太を運ぶトレーラーとすれ違ったり、木を伐りだした山肌を見たり。
これは杉!これは檜!
あ!クロモジ!
なんて思いながら山道を走ります。
復路では、鹿に遭遇しないように気を付けて…といわれ、少しびくびくしながら収録したラジオの音源を聞きながら来た道を逆に運転。
帰り道って長く感じるのはなぜなんでしょうね。

宮川森林組合では精油事業に携わる中須さん、前北さんのほか、精油抽出を担当する森さん、大台町苗木生産協議会の会長天野さんからもいろいろな話を聞くことができました。
肝心の広葉樹の森への取り組みや精油のことは次のブログで。




今回お邪魔した和精油メーカー

〒519-2505
三重県多気郡大台町江馬316
宮川森林組合
TEL 0598-76-0135
FAX 0598-76-0263



宮川森林組合さんは2017年11月、古山順子のラヘラジにゲスト出演してくださいました♪

詳しい日程はラヘラジのWEBページでチェックを!

※放送時間こちらにアクセスし、▶のボタンをクリックすると放送が流れます


放送日の午前中にレジュメが届きます♪ 

*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*
インターネットラジオfmGIG 古山順子のラヘラジ
毎週水曜日 昼12:00~12:30
スマホ、PCで、日本全国、全世界!どこでも聴けます!
アロマの力で心も体も幸せに!
あなたの心に寄り添うセラピスト 古山順子
letter@lahella.jp
*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*


アロマ&ホットストーンラヘラ

ラヘラアロマ&トリートメントスクール

インターネットラジオ古山順子のラヘラジ

吉野の山と街のツアー:檜精油抽出喜多製材所@奈良県吉野

「よし。じゃあ行きますか。荷物は置いて行って構わないから。」
喜多さんのそんな一言に、少し山を見せて頂けるのかしらと思いながら、携帯だけ握りしめて車に乗せて頂き出発!

IMG_9056.JPG
最初に到着したのは、喜多製材所のすぐ近くの組合の倉庫。

杉と檜が左右に分かれて並び、出荷を待っていました。8月の暑い日でしたが倉庫の中はひんやりしていて、空気が澄み渡り、まるで森の中にいるよう。
木目のしっかりした大きな角材を見ながら教えて頂いたのは、合板の作り方。
合板って名前の通り板だけだと思っていたら違うんですね。角柱の4面に薄く薄くスライスした杉や檜を張り付けることもあるそう。
素人目には一見わからなくても、木目の通り方を見ると一目瞭然!最近は印刷技術も向上しているから規則正しい木目のクロスもあるけど、見ていて不自然で気持ちが悪いと喜多社長がおっしゃられていました。
そういえば昔、木目を模した天井紙が人の目に見えて夜怖かったっけ…
なんて思いながらお話を伺いました。

IMG_9058.JPG
中心の赤い部分が心材と呼ばれる強い部分。
精油成分もこの部分やねの近くに多く存在するといわれています。
余談ですが、赤い部分は角材に適し、その境目はカーブに沿って切り出され桶の材料に。白い部分は割りばしの加工に向くそうです。
適材適所。本当にその通りなんですね。

吉野の檜は割りばし加工に適しているそうで、この日は割りばしの加工工場も見学させていただきました。

IMG_9064.JPG
「どこの山に行こうかなぁ…」なんてつぶやきながら次に立ち寄ったのはログハウス。

このログハウスは喜多社長の同級生で元公務員の方がリタイア後にご自身で建てたとういうから驚きです。

間伐材の商品価値が下がり山に放置されている現実をどうにかしたいと考えておられ、行動の近くの山の間伐財を引き取り独学でコツコツ建築。
ここでバーベキューをするのが楽しい!と笑顔で説明してくださったのですが、建物の中にはこれまた大きな無垢材の一枚板を加工したテーブルがあり、冷蔵庫や暖炉も完備。
「次はお友達と泊まりにおいで~」と嬉しいお誘いもいただきまいた。

そして見えますか?
ドアの取っ手。

なんと鹿の角!

吉野でも、鹿は山だけでなく田畑まで荒らしてしまう害獣。
狩猟許可を持った方が、狩りをしたときの角を使ってみたとのことですが、カッコイイ!

その後は時間があるならできるだけ吉野のことを知って帰って下さい、とたくさんの場所を案内してくださったので順にご紹介していきます。

IMG_9070.JPG
山で切り出した材は、その昔水路で運ばれていました。
ここや少し山道に入った場所から見える水路ですが、吉野には気づかないような場所、例えば大きな車道の一段下などにも水路が残っています。

吉野の林業が栄えていたころ、山で切り出した材を筏に積み、水路を通り吉野川へ。
その後、紀州まで運び一緒に乗せていた自転車で帰ってくる…本当に昔の方の苦労には頭が下がります。

IMG_9076.JPG
林業が栄える条件は、豊かな山があることと、そこから切り出した材を運ぶ運河があること。
吉野はその条件に適した場所だったわけですね。
その後材を運ぶ手段が鉄道になり、トラックになり…
時代の流れとともに水路は材の運搬には使われなくなってしまいました。
こちらはダムの上流からみた写真。
ダムは材を運ぶ水路に続くほか、大正時代から電力発電に使われています。

IMG_9073.JPG
「わぁ!キレイ!!」

思わず声を上げてしまった吉野川。
ところが、喜多社長に言わせると、濁っていて泡が浮いていて汚れた水。
泡が消えないのは水が汚れている証拠。
昔は川の底が透けて見える透明度だったと。
それでも私からしたらこの川は美しい。

これ以上水が汚れないように。
そして喜多社長の知る透明な水に戻すにはやはり山を元気にしないと。

いつも日本の精油メーカーさんを訪問して感動するのは、山の美しさと水のおいしさ。
でもね、”元気な山”というのは定義が難しい。
原生林なのか、人工林なのかによってもその環境は全く異なるし、どの立場から見た山なのかによっても違う。

IMG_9081.JPG
ダムや水路の見学の後は、喜多社長のお友達がされているお店でお昼ご飯をごちそうになり(まさかお昼を越えて案内して頂けるなんて思っておらず、お財布も事務所に置いてきていた私です…)、いよいよ山へ!

手入れの行き届いた山は木がまっすぐ上へ上へと伸びていて美しい!

遠くから見たとき、モリモリ茂っている山は実は手入れが行き届いていない状態。
遠くから見た時、少しまばらになっている山は間伐が行き届き根元まで日が届き木が元気に育つ状態。
近くで見た時、こうやって下草が茂っているのが良い状態。
適度に日が入る山の木は木肌も美しい。
スマホで撮影した写真では伝えることのできない美しさはぜひ現地で味わってください。

IMG_9097-1.JPG
車はさらに山の奥へ。

そこには大きな木を伐採した後の切り株がいくつもあり、木を麓へ運ぶため滑車説明をして下さいました。
今では気を切り出すことが減り、滑車が動く機会も減ったそうですが、昔は毎日材木が空を行きかっていたそうです。
せっかくだから登ってみる?と。

アカン!ちょっと待ってヘビおるわ。

もうむこう行ったから大丈夫。
アカン!漆生えとるわ。

踏み倒したから大丈夫。
アカン!足元滑るわ。

踏み固めたから大丈夫。

ということで、父のような年齢の社長に手を引いてもらい、崖をよじ登り、大きな切り株の上へ。

カメラ貸してみ!と私の携帯を片手に崖を降り、撮影していただいた写真。
後日、西宮のスタジオにラジオの収録に来てくださった喜多社長。
なんとこの後、漆にかぶれしばらくつらい思いをしたのだとか。
「古山さんに何もなくて良かった。お客さんに何かあったらただじゃすまないから…」
と私の心配をしてくださった社長。ありがとうございます。

IMG_9094.JPG
この木の太さはこれよりもはるかに太かった!

楽しいひと時だけではなく、精油のこと、吉野の山のこと、林業のこと、日本の木材の現状など、また深い学びを得ることができました。
朝から一日、貴重な時間を割いて私のためにあちらこちらを案内してくださった喜多製材所の社長には感謝の言葉しかありません。
通常はこんなにたくさん案内されていないそうです。
今日は急ぎの仕事がなかったこと、私の山への熱意を感じたこと、そして”なんかあれこれ見せたくなる子やったから”という理由で貴重な時間を頂きました。
そしてこのヒノキの森の向こうにはヒバの原生林があるそうなのですが、「また来て欲しいから今日はそこにはいかない」とお預け状態…笑

IMG_9074.JPG
イギリスのアロマの協会の冊子に取材記事が掲載されるほどの喜多製材所さん。
どうやらまた新たなチャレンジをされるそうです。


ここで見たこと。聞いたこと。学んだこと。

まだまだ皆さんに知って頂きたいことは山ほどありますが、それはまたの機会に。
そして私もまた吉野へ、喜多社長の元へいろいろ学びに行きたいと思います。



今回お邪魔した和精油メーカー
喜多製材所
〒639-3118 奈良県吉野郡吉野町橋谷57-15
電話:0746-32-2268
ファックス:0746-32-2085



喜多製材所の喜多さんは2017年11月、古山順子のラヘラジにゲスト出演してくださいました♪

詳しい日程はラヘラジのWEBページでチェックを!

※放送時間こちらにアクセスし、▶のボタンをクリックすると放送が流れます


放送日の午前中にレジュメが届きます♪ 

*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*
インターネットラジオfmGIG 古山順子のラヘラジ
毎週水曜日 昼12:00~12:30
スマホ、PCで、日本全国、全世界!どこでも聴けます!
アロマの力で心も体も幸せに!
あなたの心に寄り添うセラピスト 古山順子
letter@lahella.jp
*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*.:*


アロマ&ホットストーンラヘラ

ラヘラアロマ&トリートメントスクール

インターネットラジオ古山順子のラヘラジ

人気記事